フォトレタッチについての知識がなくても、デジタル画像の加工・修整からプリントまでを簡単に行える“パーソナルラボ”ソフト。「デジカメde!!フォト工房」は、銀塩写真のテクニックを使ってデジタル画像を加工できる、ユニークなインタフェースのフォトレタッチソフト。レタッチツール名には「フラッシュ光量」「露出補正」「引き伸ばし」といった銀塩写真で用いる用語が付けられており、銀塩写真と同じ感覚で加工処理を行える。また、強力な自動修整機能を備えており、細かなパラメータを指定しなくても、ボタンひとつで狙った効果を得られる。JPEG/BMP/PNG/TIFF/PSD(Photoshop)やPhoto CD/GIF(いずれも読み込みのみ)など、多くの画像形式に対応する。
メイン画面は、大きなボタンを配した使いやすいレイアウト。「入力」メニューで画像を読み込み、「修整」処理後に「印刷」もしくは「出力」するというユーザの作業の流れに沿った構成になっており、わかりやすい。
「入力」では、フォルダ内の画像を指定する「絞り込み入力」という機能がある。「絞り込み入力」では、フォルダ内の写真を入力候補と候補外に分類して一覧することができる。また、いくつかの候補を詳細に比較できるビューアを内蔵しており、似た写真の中から対象を選ぶのに便利だ。
レタッチを行う「修整」メニューには、計35種類のレタッチツールが6個のサブメニューに分類されている。大きな特徴は、ツール名が銀塩写真のテクニックに則っていることで。「撮影環境」ではフラッシュ光量を調整し、「撮影」でピント修正や露出補正を行い、「暗室」で引き伸ばしや覆い焼きをする、といった具合になっている。「撮影環境」内の「撮影時間帯変更」「季節変更」といったツールも、条件の設定を直感的に行うことができ、わかりやすい。
「モノクロ作品化」は、Ver.2で新たに追加された機能。モノクロ専用のヒストグラムやトーンカーブを搭載し、モノクロ写真にレッド/イエロー/グリーンのフィルタを適用できるほか、粒状感の追加や温黒調・冷黒調といった効果を適用することも可能だ。
もちろん、アンシャープマスクやカラーバランスといった一般的なレタッチソフトに見られるフィルタも備えており、機能面で不足を感じることはない。搭載されているレタッチツールは、一部を除いて「Photoshop」のプラグインとして使える。
ユーザの行った修整作業は修整履歴として画面に一覧表示される。工程を確認しながら作業できるほか、履歴を遡って再作業を行うことも可能で、試行錯誤しながら満足のいく作品に仕上げられる。履歴をテキストファイルに出力し、作業工程を保存しておくこともできる。
印刷はL判/キャビネ判から四切/半切/全紙と、あらゆるサイズに対応。大きなサイズにプリントする場合は複数枚の用紙に分割して印刷することも可能。プリントに白や黒のフチを入れ、作品名や撮影情報を書き入れる機能もある。