既存の映像ソースやリアルタイム生成画像をもとに、まったく新しい映像を作り出すことができるビジュアルエフェクトソフト。ユーザの操作がリアルタイムに反映されるため、ビデオジョッキー(VJ)気分を味わえる。「風立(かぜたち)」は、CGタッチの画像や幾何模様などの動画にさまざまなエフェクトを加えるとともに、音楽に合わせてさまざまな表情に変化させることのできる新感覚のビデオエフェクトソフト。既存の動画を加工するのではなく、まったく新しい動画をゼロから生成するのに近い。
ビデオクリップの素材として使用できるのは、動画(AVI/MOV/SWF)、静止画(BMP/JPEG/TGA/DDS)、サウンド(WAVE)、3Dモデル(ZMS)の各ファイル。「風立」では元の動画に対して、加工を行った結果の動画を「シーン」と呼ぶ。「シーン」を「パレット」と呼ばれる36ヵ所のエリアに登録することで、ワンタッチで再生することができる。さらに、音楽の持つリズムをソフトウェアで検出し、そのリズムに合わせて映像を自動的に変化させるTAPボタンも搭載されている。これらの機能により、音楽を再生しながら映像シーンを切り替える「ビデオジョッキー」を行える。
エフェクトのプラグインは、ポスタリゼーションやモザイクなど、3階層構成の計37種類。さらに、ブレンドやスクロールなどのトランジションが10種類用意されている。プラグインのタイプにはレンダータイプ(映像作成)とミキサータイプ(素材合成・加工)の2種類があり、素材に与える効果をそれぞれで変えることができる。ミキサータイプは、1シーンに複数のプラグインを組み合わせることが可能で、得られる映像バリエーションは非常に多い。
エフェクトやシーンの切り替えタイミング順序は「テイク」と呼ばれ、サンプリングした音楽と合わせてファイルに保存できる。また、320×240ピクセルのAVIファイルへの書き出しにも対応しているので、ほかのビデオ編集ソフトで利用することも可能だ。
そのほか、USBカメラやDVカメラから取り込んだ画像に対して、ほかのシーンとリアルタイムに合成したり、リアルタイムエフェクトを加えたりする機能を搭載する。