「ImaCom」は、静止画像をサムネイル表示で管理できるソフト。強力な画像自動比較機能を持つ「Comper」を同梱しており、数多くの画像ファイルを効率よく管理できることが特徴。

メイン画面は3ペイン構成。左ペインはフォルダツリー、右ペインには、選択したフォルダに含まれる画像ファイルをサムネイル表示する。中央のペインでは、選択したサムネイル画像の実解像度表示を行う。ツールバーには多数のボタンアイコンが用意され、必要な機能へすばやくアクセスできるよう配慮されている。

特徴のひとつは、リアルタイムでサムネイルを作成できること。名称変更や画像調整を行ったあとも、即座にサムネイルの再作成を行える。フォルダ選択時にサムネイルを自動作成する先読みサムネイル機能もある。そのほか、選択画像だけに対してサムネイルのリビルドを行うこともできる。

サムネイルの画像品質を設定することも可能。縦横サイズやマージンは1ドット単位で指定することができる。サムネイルのキャッシュの有無、個数を指定することなども可能で、非常に細かなカスタマイズを行えるようになっている。

画像の選択を右クリックだけで行える。マウスクリックだけで選択できるので、エクスプローラよりも確実にファイルを選択できる。選択したサムネイル画像に対しては、コピー/移動/削除、連番リネーム/リビルド/スライドショウ/変換調整を行える。

対応する画像形式は、読み込みがBMP/JPEG/TGA/PSD/TIFF/PNG/GIF、書き出しがBMP/JPEG/TGAの各形式。

そのほか、よく使うフォルダをブックマークとして登録しておける機能などもある。

まず、最初に画像比較機能のサンプルとして、1,024×768（圧縮率30％）、640×480（圧縮率80％）、320×160（圧縮率50％）ドットという3枚のJPEG画像を用意した。これを100枚の画像が乱雑するディレクトリに混ぜ、「パワーファジー機能」をONにして画像比較させる。このパワーファジー機能はかなりのCPUパワーを必要とするものの、しばらく待ったその結果、3枚ともが同一画像として自動検出された。

一方、連続補正機能では、パワーファジー機能に比べて高速に処理されたが、こちらは見た目の好みこそ分かれる微妙な比較。そこで、著名な市販ソフトの自動レベル補正を基準としてみたが、かなりその色調に近い、見た目にきれいな画像補整をしてくれた。これならば、自動処理にまかせても問題ないレベルだ。

この二つの検証だけでも十分に威力を見せつけてくれた「ImaCom」。起動時のサムネイル作成で操作待ちを強いられない配慮は、画像管理ソフトを使う上でうれしい点だ。意外と見過ごしがちなこの点は、作者が実際に使う上での使い勝手を考えている証といえる。

当初の目的は画像整理だったのですが、だんだんと画像管理も強化したくなってきました。「実用的」の条件を詳しく書くと長くなるので省きますが、少なくとも私は市販の画像管理ソフトが本当に画像整理をしている人間が作ったとは思えず、実用性がないと思うのです。だから、私の考える「実用的な条件」を満たした画像管理ソフトにしてやろうと思ったわけです。

そういうわけでVer.3.0からはソースコードをすべて書き直し、画像管理を行う「ImaCom」と自動比較整理を行う「Comper」に分けました。何が「実用的」かはその人の趣味の問題ですが、とにかくいろいろな部分で、なるべく実用本位に作っているつもりです。

開発に苦労した点
言うまでもなく、苦労したのは画像の内容を比較するアルゴリズムです。特に荒れ方（圧縮率）の違うJPEG同士を比較して「同じもの」と判断できなければなりませんし、インターネットからダウンロードしてきた画像なら大きさも同じとは限りませんので、これらが比較できなければ実用的とはいえません。

画像の内容を比較して削除するアイデア自体を考えるのはいとも簡単ですが、実際に作るとなると、実に大変でした。アルゴリズムを考えるだけでなく、膨大な画像をテストに比較してみないとちゃんと判断できてるかわからないわけですから、検証するのも大変でした。とにかく試行錯誤を繰り返し、何とかJPEGでも比較できるものができました。

今後の予定
この記事を書いているときはVer.3.30が現行で、3.30までの比較もそれなりに使えるとは自負していますが、すでに比較アルゴリズムを一新したものを開発してあります。いままでよりも遙かに的確に、すばやく同一画像を判定できるようになっており、Ver.3.40から搭載される予定です。

また、現在は簡単な補正機能しかついていませんが、本来このソフトは「画像補整」までできることが目標で、実は補正用のソフトも開発してありました。これはこのままの形で使うことはなく、おそらく「ImaCom」に組み込むことになると思いますが、とにかく補正系などの機能も徐々に増やしていくと思います。

また、単独の簡易ビューアも付属させる予定があります。とにかくこれからも、実用的に便利な機能を充実させていこうと思っています。