論文やレポートを作成するときには、裏付けとなる資料の収集からはじめることが多い。「プラン」を利用して文書を作成すれば、執筆に取りかかる前に、無造作に資料をメモとして用意しておける。資料もある程度揃い、「いざ執筆」というときに困ることは、文書全体の流れを見失いがちなこと。特に長文作成時ほど、文書全体の流れを把握しにくい。「プラン」を利用すれば、文書全体の流れを「アウトライン(外観)」という形で意識しながら文書が作成できるため、文書の全体構成などに神経を使うことなく、執筆活動に専念できる。論文やレポートなど、論理的な順序で作成される文書作成に「プラン」はうってつけのツールといえるだろう。
ひとつの「本」につき、「本」と同じ名前のサブフォルダが「プラン」をセットアップしたフォルダの下位フォルダとして自動作成され、「メモ」の実体ファイルなど、「本」を構成する全ファイルがそのフォルダに保存されるため、ファイル管理も楽に行える。
外部ファイルを「メモ」に利用する場合、「プラン」で外部ファイルを修正しない限り、メモの実態ファイルは作成されない。つまり、「メモ」ファイルを1枚も作らずに「本」を作成することもできる(なお、本1冊あたり4,000,000文字まで作成可能だが、快適な動作が保証されているのは、メモ1件に対して数百KB程度とされている)。
外部ファイルを修正した場合は「プラン」の「メモ」として扱われ、元ファイルは変更されない。ただし、「外部ファイル」→「外部の参照元ファイルを上書き保存」を実行すると元ファイルが変更されるので、「プラン」をエディタとして利用することもできる。この特徴をうまく使うと、「プラン」をHTMLファイラ、文書ファイラ、画像ファイラとして使用することができる。
有能なツールだが、個人的にサポートしてほしい機能を申し上げたい。筆者はコンピュータ関係の本を執筆する機会も多く、今は2冊の本を同時に書いているが、長文作成時にエディタに求める機能がいくつかある(もちろん、万人が望むとは思わないが)。ひとつは、「目次自動作成機能」。「メモ」は、書籍でいう章/節/項に相当するので、「メモ」をもとに目次を作成する機能を付加してほしいということ。
もうひとつは「索引機能」。キーワードとなる用語を選択し、その用語を解説しているページを自動生成する機能がほしい。索引は五十音順に示されるため、ソート機能も必須である。
「プラン」は、アウトラインプロセッサとして用いるには十分な機能を備えているが、長文作成ツールとして、さらなる発展を期待している。
(永浜 裕之)