「El（エル）」は、複数のファイルやソフトを1個のボタンに割り当てて、まとめて開くことができるボタン型ランチャ。ランチャ機能以外にも、CPUやメモリの使用率の表示や、CDの再生、壁紙変更といった機能があり、デスクトップの使い勝手を向上させてくれる。

起動後、最初に表示される画面は、ランチャではなく小さなウィンドウ。このウィンドウには「現在の時刻」「CPU負荷」「メモリ使用率」が常時表示されており、リソースメータとして利用できる。【Shift】キーを押している間はこの小さなウィンドウさえも非表示となる。

この小さなウィンドウにマウスポインタを合わせると表示されるのが、「El」のメイン機能であるランチャ画面。ランチャへのアイテムの登録は「El」のボタン上にドラッグ＆ドロップするだけでよい。同時に表示できるボタンは全部で10個だが、ページ切り替えで使用できる10ページ分のボタンが用意されており、登録できるアイテム数は最大100個になる。

大きな特徴は、1個のボタンに複数のアイテムを登録できること。複数の登録アイテムをワンクリックで一気に開くことが可能になる。例えば、アプリケーションのショートカットを複数登録した場合は、それらのアプリケーションを一気に起動することができる。

さて、この「El」であるが、この二つの条件についてはかなりのレベルで満足できるといってよい。まず、アプリケーションの起動であるが、マウスカーソルを移動するだけでボタン群が表示されるので、アプリケーションを起動するには（指定したアプリケーションのボタンのあるページが選ばれているという条件はあるものの）まさにワンクリックでよい。この点に関しては合格といえる。

次に邪魔にならないことであるが、これに関しても非常に優れている。なにしろ普段の「El」のウィンドウは各ウィンドウのタイトルバー程度の上下幅であり、横幅も小さい。さらに時計表示とリソースメータという、役立つ情報も表示されていることから、無意味に画面領域を占有するといったこともないのだ。これ以上画面の占有量を抑えようとするなら、タスクトレイやタスクバー内などに専用の場所を確保せねばならないだろう。

以上のことから考えても、このランチャはなかなか使いやすく、それでいて邪魔にならないスグレものといえそうだ。

ただ、ちょっと惜しいのは、文字の表示色やリソースメータの表示内容だろうか。余裕のあるマシンであればメモリの使用量やCPU負荷などはあまり気にかけない人もいるだろう。こうした環境向けに、これら表示項目や、表示する文字の色などが選択できるようになっていれば、より便利で使いやすいものとなるだろう。ぜひとも次回バージョンアップで対応していただければ、と思う。

そんなとき「自分に合ったランチャでもあったらいいのにな」と思い、「いっそのこと自分で作ってしまえ」と作りました。

開発中に苦労した点
このソフトの特徴、マウスでの出たり消えたりする作業を作るのに苦労しました。でも、このソフト自体7〜8時間ぐらいで作ったソフトです（笑）。

今後のバージョンアップ予定
このソフトのバージョンアップ予定はありません。しかし、「El（エル）」のバグなどを改善したパワーアップ版として、後継ソフト「Ninja」を作成中です。さらなる機能を搭載しておりますので、こちらの方もお願いします。