「In Watermelon Sugar」は、操作しやすいシンプルな画面構成が特徴の日記ソフト。やわらかなパステルカラーが使われた画面は、“和み系ソフト”の趣がある。日記帳と月間カレンダー、年間カレンダーの3種類のウィンドウを中心に、写真や画像を貼り付ける「ピクチャウィンドウ」と「ピクチャリスト」、日記の一覧を表示する「目次」ウィンドウから構成される。

メインである日記帳には、本文テキストと当日の天気を登録できるほか、「しおり」およびピクチャのサムネイルを添付できる。天気はポップアップメニューからマークを選択して登録する（初期設定のAppearanceで「天気」をチェックする必要がある）。

日曜日はじまりの月間カレンダーは、選択日と日記が記入されている日を色分け表示する。ウィンドウ下部には拡張ウィンドウが設けられており、日記のある日にポインタを合わせるだけで、日記の冒頭が表示される。

年間カレンダーは横軸に月、縦軸に日をとったマス目形式のカレンダー。月間カレンダーと同じ色使いで、当日と日記記入日のマスが色分けされる。オンマウスで下部の拡張ウィンドウに日記冒頭部を表示するのも同様だ。月間・年間カレンダーともに、カレンダーの日付をクリックすることで当日の日記を開ける。

「ピクチャウィンドウ」では、写真などの画像を読み込める。QuickTimeがサポートする静止画像に対応しており、通常はファイルメニューから画像ファイル選択によって読み込むが、JPEG画像の場合は画像欄へドロップ＆ドロップするだけで読み込める。ピクチャウィンドウには1日あたり最大16枚まで取り込むことが可能で、1枚ごとにタイトルをつけることができる。1日ごとの画像一覧（サムネイル）を表示するのが「ピクチャリスト」で、リスト一覧から画像を選択してピクチャウィンドウに表示させられる。

日記をつけられるのは（1950年から）2039年まで。祝祭日の設定は名称、月日または×月第×週という指定日のほか、有効にする西暦年範囲の指定も可能だ。日記にはタイトルを付けることができ、さらにユーザ名、誕生日、血液型、好きな色などを登録できる。日記をHTMLに出力する機能やパスワードロック機能もある。

カラーパレットには、あらかじめこのソフトのコンセプトに合わせたようなやわらかい色調が置かれているが、もちろんMac OS標準のカラーチャートから任意の色を指定することもできる。こうして各部分に自分で好きな色をつけてもよいが、「カラーセット」を使えば、もっと簡単にイメージを変えることができる。カラーセットはあらかじ8種類が登録されていて「あさごはん」「夏休み」「カレーライス」など、ユニークな名前が付けられている。オリジナルのカラーセットを作って登録することも可能だ。

検索ウィンドウでは、日記テキスト中の文字の検索と置換ができるほか、検索された語の文字色やスタイルを変えることもできるのがうれしい。これは例えば、自分で決めている日課や、定期的に起きた出来事などを一度に日記上で目立たせたりするのに、効果を発揮するだろう。また「しおりを挟んだページのみの検索」「検索されたページにしおりを挟む」という、検索としおりと組み合わせた複合的な使い方もできる。

「もくじウィンドウ」では、日付/天気/日記の冒頭部が一覧表のスタイルでが表示される。「年→月→日」の階層表示にして、下階層を畳み込んで表示させたり、「画像のあるページ」「しおりのあるページ」のみの一覧を表示させることも可能だ。

ウィンドウサイズもコンパクトで、必要以上にデスクトップを占有することもなく、気が向いたときに画面上にパッと呼び出して日記、毎日の記録をつけようという気にさせてくれる。主にプライベート用途向けに、気軽に日記を始めたいという人には最適なソフトだ。

そう考えて私は、Macで作った日記帳に目次と検索とカレンダーをつけてみました。「In Watermelon Sugar Ver.1.0」の完成です。

以来、みなさまからのご意見を参考に、幾度かのバージョンアップを重ねましたが、基本部分は変わりません。「アナログに勝るデジタルなし」だからこそ「デジタルにできることはデジタルに」というのもまた私の持論なのです。ノートにおける「ページをめくる」という動作をエミュレートするのが最終目標です。