誤って削除してしまった画像データを、簡単な操作で復元できるソフト。削除ファイルをサムネイルやプレビューで確認してから復元できる。復元を行わずに印刷することもできる。「FINALDATA フォトリカバリー」は、対象をデジカメ写真などの画像データに絞ったファイル復元ソフト。復元前にサムネイルやプレビューで削除データの内容を確認することが可能で、ファイル名が連番で振られるデジカメ写真でも、目的の画像ファイルを容易に探し出して復元することができる。
対応する画像形式はJPEG/TIFF/BMP。ファイルシステムはFAT12/16/32、NTFSに対応する。ハードディスクやフロッピーディスクのほか、MO、スマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリスティックといった各種デジカメ用メディア上のデータを復元することも可能。単純な削除だけでなく、メディアのフォーマットで消失したデータを復元することもできる。
ファイルを削除したときは(「ごみ箱」への移動ではなく、完全に削除した場合でも)、ファイルのインデックス情報が書き換えられたり抹消されたりするだけで、データそのものは(別のファイルで上書きされていない限り)格納場所であるクラスタに残っている。「FINALDATA フォトリカバリー」は、インデックス情報をサーチするだけでなく、直接クラスタを読むことで削除ファイルの復元を試みる。したがって、仮にメディアを初期化してインデックス情報が丸ごと失われていたり、同一名で(別クラスタに)上書き保存されていても、高い確率でファイルを復元することができる。
操作は非常に簡単だ。復元しようとするファイルを含むドライブを指定すると、ディレクトリエントリ(インデックス情報が書き込まれている部分)を検索して削除済みのファイルを探す。これでも見つからない場合は「詳細なスキャン」で、クラスタスキャンを実行する。
検索された削除済みファイルはメイン画面に一覧表示される。メイン画面では、サムネイル表示のほか、大きいアイコン/小さいアイコンといったエクスプローラと同様の表示方法を選択することが可能。ここでファイル名を変更できるほか、印刷を行うこともできる。
サムネイルやプレビューで画像データの内容を確認した後、メニューから「復元」を選択すれば、復元が実行される。複数ファイルを同時に復元することも可能。ただし、元ファイルがあるドライブに復元することはできないので、別のドライブを用意しておく必要がある。
復元したファイルをアプリケーションで正常に開くことができれば、復元は成功したといえるが、正常に表示できない場合もある。クラスタ自体が書き換えられたか、データが断片化しているためだが、FATシステムの場合は、復元ダイアログでFAT形式を「NoFAT」と設定することで、断片化したデータを連続データとみなしてファイルの復元を試みる、という最後の手段が用意されている。