「FANTASIA DE TYPING」は、タイピングの成績に応じて獲得できる資金をもとに、荒地に草地や畑を作り、家を建て、道路を敷設して、町を開発していく“タイピング練習＋シミュレーション”ソフト。かつては豊かな自然に溢れていたが、現在は荒地と化してしまった「ファンタジア」の大地を復興する、というストーリー設定になっている。プレイヤーは（ゲーム時間上の）1ヵ月に1回タイピング練習を行い、マップ上に町を作っていく。タイピング練習を積み重ねて入力レベルを上げると、より早くファンタジアを復興させることできる。

プレイヤーは開始時にまず、「試験」を受けて自分のレベルを測定する。この測定結果に応じて、タイピング練習である「文字入力」の出題レベルが決まる。レベルが高いと問題も難しく（長文に）なるが、正確に入力できれば、それだけ獲得できる資金は多くなる。開始時以外でも、プレイヤーは1ヵ月に1回、資金を稼ぐための「文字入力」か「試験」のいずれかを選択して行えるようになっており、ある程度タイピングが上達したと思ったら、そのつど「試験」を受けて、徐々にレベルを上げていける。

町を作るために、プレイヤーは荒地にさまざまなアイテムを設置していく。設置できるアイテムは「道」「草」「川」「畑」「牛」「家」などの11種類。アイテムを選択してマップ上に置くだけでよい。アイテムは、それぞれ設置のために必要な資金が決まっているほか、7種類のアイテムについては資金だけでなく、設置したアイテムが生産する資源も必要とされる。資金・資源のほかに食料という要素もあり、例えば「家」には一軒で最大5人が住むことができるが、人が住むには、「果樹」や「畑」「牛」によって食料が確保されなければならないといったルールがある。マップにアイテムを設置していき、敷地内の荒地がなくなればゲームクリアとなる。

こうしたゲーム性の強いタイピングソフトは、初心者向けの練習ソフトというよりはむしろ熟達者用のゲームという色合いが強いようにも思えるが、この「FANTASIA DE TYPING」はタイピング練習の部分もかなりしっかり作られている印象を持った。ヘルプの中には本当のタイピング初心者に向けた解説や簡単な練習も用意されているので、一から勉強することができる。問題文もなかなか工夫されていて、漢字を見ただけでは読み方がわからなくて打てないものもいくつかあり、その意味でも勉強になった。

シミュレーションゲームとしても、ただ闇雲にアイテムを置いていけばよいというものではなく、きちんと計画的に町作りをしなければならないようにできており、楽しめるものになっている。アイテムを設置するための資金は比較的容易に手に入るのだが、資源はそれほど簡単にはたまらない。資源をためるためには、タイピング練習の数をこなす必要があるのだ。じっくりと遊ぶタイプのソフトだ。

開発中に苦労した点
平仮名をユーザの方が指定したローマ字に変換させる方法を使用しているのですが、その変換のプログラムには特に気を遣いました。インストラクターをしていたころ、小学生のときに習ったはずのローマ字でつまづく方がいらっしゃったので不思議に思っていましたが、この作業で不思議と納得してしまった気がします。

ユーザにお勧めする使い方
ただスピードを求めるのではなく、「自然を育てているんだ」という気持ちでやっていただけたらと思います。荒地が草花で埋まっていくころには、自然に技術も身についているはずです。

今後のバージョンアップ予定
いろいろとご要望等をいただいていますので、（時間の関係上）少しづつですが、快適に楽しんでいただけるよう、バージョンアップを続けていきたいと考えています。ご要望＆改良点が落ち着いたころに第二弾を作成する予定です。