ソフトを開発しようと思った動機、背景
「『超』仕事人」を作成した直接のきっかけは、「『超』整理法」(中公新書)の中にあります。この本には、テキストファイルを利用したすばらしい情報管理の方法が紹介されています。ところが、このような使い方を前提として作られたソフトは世の中になく、これを実践するにはテキストエディタを流用するしかありませんでした。ところが、実際に運用してみると、ファイルの一覧性が悪い、前回の環境を容易に再現できないなど、いろいろ不便な部分がありました。
運用を続けているうちに、現在感じている不便を改善する手段や、より便利に運用するためのユニークな機能など、アイデアが数多く出てきました。そこで、それらのアイデアを盛り込んだ独自の情報管理ツールを作ろうと考えたのです。
開発中に苦労した点
最大の壁は、Windowsのコモンコントロール(RichEdit)からの脱皮でした。RichEditはエディタの機能部品ですが、これを使う限り、エディタの機能は制限されてしまいます。途中までRichEditでやりくりしてきましたが、ユーザさんからの要求が高まるにつれ、とうとう機能的な壁に突き当たってしまいました。
そこで、さらなる飛躍のため、エディタを独自開発することに踏み切ったのです。しかし、エディタの開発は容易ではありません。この開発には1年以上の歳月を費やしましたが、とうとう完成しました。この基本部品は、他の開発者の方にもご利用いただけるよう、汎用コンポーネントとしてフリー公開しています。
https://www.vector.co.jp/soft/win95/prog/se203504.html
ユーザにお勧めする使い方
「『超』仕事人」には特定の使い方がなく、ユーザが各々の目的に応じて自由に使い方を工夫していくことができます。すべてに共通する非常に重要な使い方の一つに、関連するファイルのリンクをまとめた索引ファイルを作ることがあります。これによって、バラバラのファイルをプロジェクト単位でまとめ、効率的に参照することが可能です。これはヘルプの「使い方(応用編5)」トピックにありますので、必ずご覧になってください。索引ファイルを作ったら、ファイルリストで索引ファイルだけを色別して一覧できるようにしておくと、さらに便利になります。
「『超』仕事人」は情報管理ツールとして十分な機能を持っていますが、最近ではユーザニーズに応えて論文、原稿作成支援機能を充実させていますので、こちらもぜひ、ご活用いただければと思います。
今後のバージョンアップ予定
「『超』仕事人」は数多く寄せられるユーザニーズに応えて頻繁にバージョンアップしています。「『超』仕事人」は実にさまざまな用途に利用されていますが、これらの現場の声にはきわめて貴重な意見やヒントが多くあります。こうした現場のニーズに耳を傾け、応えていくことは、使いやすいソフトを作る上で重要なことと考えています。どんな些細なことでも結構ですので、ご意見がありましたら、お寄せいただければ幸いです。
(そんぴん)