DVキャプチャ、MPEGリアルタイムキャプチャ、MPEG直接編集など、多彩な機能を搭載したビデオ編集ソフト。「PowerDirector」は、DVカメラ、VHSビデオ、MPEGファイルなどから取り込んだ動画を編集し、MPEG-1/2、WMVなどを作成するためのビデオ編集ソフト。特に、強力なMPEG編集機能が特徴。Ver.2.0からは、通常版と「PRO」版の2種類が用意された。PRO版ではDVDオーサリング機能を新たに搭載している。
編集画面は、初心者向けのビデオ編集ソフトとしては一般的な「ストーリーボード方式」と呼ばれるもの。動画の個々のカットをサムネイル形式で横並びで表示する。操作の中心となるのは画面右上の丸いダイヤル状の「モードセレクタ」で、モードセレクタのアイコンを選択することで、「キャプチャ」「カット編集」「エフェクト」「アフレコ」「最終出力」などの機能を切り替えて使う。1,024×768ドット以上のフルスクリーンモードで動作する。
ビデオキャプチャでは、Ver.1.x同様、DV入力をMPEG-2へ直接変換しながらキャプチャする機能を備える。Ver.2.0では、変換処理が間に合わない場合にいったんデータをディスクにため込んで変換する機能が追加され、CPUパワーが低いマシンでも直接変換を利用できるようになった。画像の切り替わりを検出し、自動的にカットを分割する機能も新たに加わった。
編集機能では、カットの移り変わり効果(トランジションエフェクト)の種類が増したほか、従来バージョンにはなかったぼかしや色調整などの「ビデオフィルタ機能」や、スローモーション/倍速再生といった「可変速機能」が追加された。画面に文字を入れるタイトル機能は強力で、1画面内に合計9本の文字列を入れることができる。しかも、この文字列が表示されるときと消えるときに、それぞれ特殊効果を施すことが可能だ。
編集対象となるファイルはAVI/MPEG。ほかの同種ソフトと比較してもMPEG編集機能が強力なことが大きな特徴。ソフト内部でキャプチャしたAVI/MPEGファイルはもちろんのこと、TVキャプチャボードなどで取り込んだMPEGファイルも、その大部分を直接読み込んで編集することができる。編集結果の出力もAVIとMPEGへ出力することができるが、実際に編集を加えた部分以外は元ファイルをそのまま出力して高速化を図る「SVRT」(Smart Video Rendering Technology)機能を利用できる。従来はDV AVI形式に対しては使えなかった機能だが、Ver.2.0からは利用できるようになった。
また、Ver.2.0では通常版のほかに「PRO」版がラインナップされた。PRO版では、通常版の全機能に加え、DVDオーサリング機能「ディスクウィザード」を利用できる。「PowerDirector」本体とは別のプログラムで実行される「ディスクウィザード」では、編集元の動画ファイルとして、「PowerDirector」で作成されたものはもちろん、既存のAVI/MPEGファイルも利用できる。チャプタ機能も装備されており、個々の動画ファイルの先頭以外に、動画ファイルの途中にもチャプタを設定することができる。また、動画だけではなく、静止画スライドショウを作成することも可能だ。
DVDメニューは、あらかじめ用意されたテンプレートの中から選択するだけで作成できる。メディアへの書き込み機能もあり、CD-R/RW、DVD-R/-RW/+RWを直接作成することが可能だ。パソコン用DVD再生ソフト「PowerDVD」のランタイムを同梱したメディアを作成することもできる。