お知らせ
ノートパソコンや、テンキーがないキーボードにも対応できる「ベル打」が完成しました。「ベル打」を利用するときの手の位置を「ノート」「左手」「右手」「テンキー」から選べます。特に「ノート」ポジションは、ノートパソコンを両手で支えながら親指だけで利用でき、立ったままでも文字入力を可能にする非常に便利なものです。しかし、マニュアル類の変更をしていないため、配布用にはまとめていません。現在、栄養士向けの集団給食用のソフト(シェアウェアとして公開予定)の開発に着手していることもあり、「ベル打」のマニュアルの修正には時間がかかりそうです。そこで、作者のホームページで実行ファイルと簡単な説明書を公開することにいたしました。詳細はホームページをご覧ください。
ソフトを開発しようと思った動機、背景
いま、求められている日本語入力は「ポケベル」方式ではないでしょうか? 現在のパソコンは、マウスだけでほとんどの操作が行え、気軽に利用できます。キーボードは主に文字を入力するために使われ、たまにメールを書いたり、年賀状を書いたりする程度でしかキーボードを必要としない方も増えています。
もともとパソコンは、米国で誕生し、長いこと英語のコマンドを入力して操作するものでした。そのため、日本でも英文タイプライターをもとにしたキーボードが使われ、現在でも広く利用されています。しかし、そのキー配列は故意に打ち難くしてあるといわれるほど不規則なもので、使いこなせるようになるまでには相当な時間がかかります。あまり文字入力を必要としない多くの利用者にとって、その苦労は割には合わず、文字入力を苦手とするのも無理のないことです。
一方、携帯電話でメールを利用する方が増えています。手軽に利用できるというのが最大の魅力ですが、わかりやすい文字入力も利用される理由ではないでしょうか。携帯電話の文字入力は、五十音順に並んだ十数個のボタンだけで使える簡単なもので、すぐに覚えることができます。特に、多くの携帯電話に採用されているポケベル方式は、基本的にはローマ字入力と同じものです。打ちやすいキーボードさえあれば、ローマ字入力並みの速度で文字入力をすることも可能です。しかも、片手だけで使用できるのです。
現在、覚えやすくて使いやすい入力方式が求められています。特に、携帯電話やPDA、ゲーム機、家電、リモコンなど、さまざまな機器で共通に使えることが重要です。これまでも、PDAにはさまざまな入力方式が開発され、搭載されてきました。そのため、メーカーや機種ごとにその方式が異なり、ユーザはいろいろな入力方式を覚えなければならず、不便な状況が続いています。しかし近い将来、いくつかの入力方式だけが残り、この状況も改善されるでしょう。そのときに残るのは、おそらく、携帯電話に搭載されているものです。特に、入力効率がよく、古い歴史を持ち、多くの方に知られているポケベル方式は、さまざまな機器で利用され続けるに違いありません。
利用者の利便性を考えれば、さまざまな機器に採用される入力方式は、パソコンでも利用できるべきです。「ベル打」がベクターに公開される前日、ソニーが開発中のモデル「バイオU」を発表しました。そのキーボードには携帯電話のボタンと同じ刻印が見て取れます。携帯電話からパソコンまですべての機器で、まったく同じ入力方式を使うようになる日がすぐそこまで来ています。
開発中に苦労した点
マニュアルの作成が最も苦労しました。どのようなソフトであれ、その使い方がわからなければ意味がありません。特にはじめて触る方には、どのような手順で操作をすればよいのかを伝える必要があります。また、どのように使えばよいのかを伝えることも重要です。これらをわかりやすくマニュアルにまとめるのに苦心しました。
プログラムにおいては、やはり使いやすさに重点をおきました。そのため、何度も試作を繰り返しました。
ユーザにお勧めする使い方
タッチタイピングができるようになると、文章の入力が楽になり、パソコンをより便利に、快適に使うことができるようになります。ぜひ、タッチタイピングをマスターしてください。また、携帯電話の文字入力の練習にも最適です。
「ベル打」の使い方は簡単です。インストールをすると、すぐに「ベル打」が起動し、使い方の説明を表示します。まずは、説明を見ながら使ってみてください。そして、ヘルプの「入力方式」「練習」「漢字変換」を順に読んで、じっくりと練習していただければ、短期間で自在に使いこなせるようになると思います。
今後のバージョンアップ予定
自由に持ち運べるリムーバブルメディアへの対応を考えています。リムーバブルメディアには、FDやCDなどがありますが、なかでもキーホルダー型のUSBフラッシュメモリモジュールは、気軽に持ち運べる上に、USBポートに差し込むだけで使えるので、ぜひ対応したいと思います。また、PDA用の「ベル打」の開発や、最初の数文字を入力するだけで変換候補が出てくる予測変換機能にも挑戦したいとも考えています。
(あるじす)