ソフトを開発しようと思った動機、背景
ここ最近、ブロードバンドによるインターネットが大変に身近なものになってきました。ブロードバンドに対して求めるのはもちろん高速な通信速度ですが、多くの接続サービスはベストエフォートという、通信速度が保証されない形で提供されています。そこで利用者にとって最も気になるのが、実際にどれくらいの通信速度が出ているか、つまり実効速度です。さらに通信速度はADSLなどの物理的なリンク速度やサーバの負荷などのさまざまな要因によってリアルタイムに変化します。作者自身、ADSLの通信速度をリアルタイムに把握して、限られた帯域幅を最大限活用したいというのが「TrayMeter」開発のきっかけでした。開発に際して注意を払った点、苦労した点
通信速度をリアルタイムに把握するソフトという性格上、常駐させるという使用形態が主になります。そこでできるだけ作業の邪魔にならないようにと、タスクトレイ領域にグラフなどを表示するように工夫しました。それだけでは表示できる情報量に限界があるため、別にステータスウィンドウによって詳細な情報も把握できるようになっています。そして、特に注意を払ったのは、LANやダイアルアップなどの接続形態を自動的に判別して、グラフのスケールなどを個別に調節する機能です。またLANカードなどの抜き差しによる動的な構成の変化にも対応するなど、設定の自動化が最も苦労した点です。
ユーザにお勧めする使い方
Web上で実効速度を計測できるサイトが増えてきましたが、どうしてもサーバや経路の負荷によって測定結果にばらつきが生じてしまいます。「TrayMeter」はそれらに影響されることなく、実際に送受信されている速度を表示するため、リアルタイムに精密な測定を行うことができます。また通信速度の推移を表示できるため、Web上での速度測定の際の補助としても便利です。そして作業の邪魔にならないので、ブラウジングやダウンロードを行うときはいつも常駐させておくことをお勧めします。
今後のバージョンアップ予定
現在、次期バージョンであるVer.3.0を開発中です。Ver.3.0では、いままでにお寄せいただいたご要望をできる限り取り入れ、さらに強力なカスタマイズ機能を実現するために、プラグインシステムを採用しています。これにより、さらに詳細な情報の表示や、さまざまな表示スタイル、インターネットに役立つツールなどを組み込むことが可能になっています。そして、より進化した自動判別機能や帯域幅の自動調節機能により、ほぼ無設定で使用可能です。また細かい設定もできるようになっており、上級者の方々の要求にも応えることができるようになっています。Ver.3.0はいままでのネットワークモニタにはない、高い完成度を目指していますので、どうぞご期待ください。
(前田 頼正)