「おまかせ鍵助」は、アクセスに認証が必要なWebサイトや、ソフトウェア、ハードウェアなどのさまざまなレジスト情報をまとめて管理するためのユーティリティ。登録情報を任意のカテゴリーで分類できるほか、会社（作者）ごとのリスト表示も可能で、目的の情報を探しやすい。メイン画面は「カテゴリ分類（または会社別リスト）」「項目リストビュー」「登録パネル」の3ペイン構成。「登録パネル」はドッキングウィンドウになっており、メインウィンドウから切り離すことも、また必要のないときには非表示にすることも可能だ。

登録できる項目は「登録名（ID）」「パスワード」「シリアルナンバー」「プロダクトキー」などに加え、会社（作者）名と問い合わせ先のURL、メールアドレス、購入日や購入店、購入金額など、多岐にわたっている。認証が必要なWebサイトでよくある「パスワードを忘れたときのヒント」まで用意されている。

最も大きな特徴は、IDやパスワードをそのまま別のソフトなどに渡して自動入力ができる機能。この機能を使えば、そのたびにコピー＆ペーストをする必要がなくなる。あらかじめ「IDとパスワード」「パスワードのみ」「シリアル番号とプロダクトキー」「シリアル番号のみ」「プロダクトキーのみ」の5種類の転送形式が設定されているが、これらはマクロを使って実現しているので、これ以外の項目の転送もユーザがマクロを定義することで可能になる。さらに、プロダクトキーなどをハイフン（-）で分割して送出することが可能で、柔軟な入力が行えるようになっている。

自動入力時には、メイン画面とは別に用意された「Miniウィンドウ」を使うことができる。「Miniウィンドウ」は文字通り、小さなウィンドウに項目リストとマクロ定義だけが表示されるもので、邪魔にならず、簡単に自動入力が行える。

有効期限のあるアカウントは、期限切れが近づいている警告マークや期限切れを示すマークが項目リストビューに表示されるほか、使える文字種と文字数を指定するだけで自動的にパスワードを生成してくれるパスワード生成機能もある。問い合わせ先のURLやメールアドレスは、そのままブラウザやメーラを起動して呼び出せる。

しかし、データがひとつにまとまっているということ以上に「おまかせ鍵助」の利用価値が高いのは、セキュリティの点である。WebのIDやパスワードはWindowsに記憶させることができるとはいっても、セキュリティを考えるとあまりやりたくはない。その点「おまかせ鍵助」のデータファイルは暗号化されているので、そのままWindowsに記憶させておくより安心できる。また、パスワードは頻繁に変更すべきだと頭では分かっていても、パスワードを考えるのが面倒でずっと同じものを使っている人も少なくないと思うが、「おまかせ鍵助」のパスワード生成機能と自動入力機能を使えば、パスワードを考える必要も覚えておく必要もないから、パスワードの更新も苦にならないだろう。

ソフトの操作性もよく考えられていて使いやすい。特に「Miniウィンドウ」は便利で、登録時以外はこれだけ表示しておけばすんでしまうし、登録パネルが切り離せるのも使い勝手を向上させている。

オマケとして、登録されたソフトやハードの購入金額を合計する「￥いくら使ったかな？」という機能も用意されている。無駄遣いの抑止効果（？）があるのかもしれないが、残念ながら筆者にはこの機能を使うだけの勇気はなかった。

開発中に苦労した点
クリップボードを使わずに対象ウィンドウにテキストを送り込む処理がなかなかうまく動かず、あれこれ試行錯誤してやっとまともに動作するようになりました。

ユーザにお勧めする使い方
特に「大量の」シリアル番号やパスワードを効率よく管理したい人に向いています。また、基本的にはクリップボードを使用しないので、履歴ソフトなどを使っている人でも安心して使えます。

今後のバージョンアップ予定
現在も一応暗号化して保存できるようにしているのですが、もう少しセキュリティ機能を強化したいです。それと、表示項目のカスタマイズができるようにするなど、操作性を改善していく予定です。