主人公は、名探偵・月影竜二に弟子入りを希望する青年・信条昭義。ストーリーは、信条が月影の事務所を訪問中に、事件の一報が飛び込んでくるところからはじまる。たまたま居合わせただけの信条も、月影に従って現場に向かう。ところが月影は、事件解明の主導権を発揮するどころか、調べたいことがあるといって、信条に聞き込みを任せてしまう。突然のことに臆することなく、信条は事件解明に乗り出すことに。

被害者は、売れっ子作家の夏目考石。襲われた部屋は中から鍵がかかっており、外から何者かが侵入した形跡も見当たらない。いわゆる密室殺人だ。容疑者は、妻・真奈美と子どもたち、原稿を取りに来た編集者の計5人。根気よく容疑者らに聞き込みを重ねるうちに、ひとつの疑問が浮かび上がる。そして、現場にあらためて足を踏み入れたとき、信条が目にしたものは……。