「KWIC Centre」は、特定の文字列が含まれるファイルを検索し、一覧表示してくれるファイル検索/ビューアソフト。検索は、対象とするフォルダ、*.txt/*.docなどの拡張子のパターン、検索語を指定して行う。フォルダは、指定フォルダ直下のファイルのみのほか、指定フォルダ以下の全サブフォルダ内のファイル、指定階層までのサブフォルダ内のファイルといった指定が可能だ。

大きな特徴が、検索対象としてテキストファイルだけでなく、Word（5.0/95/97/2000）、Excel（5.0/95/97/2000)、一太郎（5/6/7/8/9/10）、OASYS Win、新松、Lotus 1-2-3といったアプリケーションの文書ファイルやリッチテキストファイル（.RTF）を指定することが可能で、これらのファイルに含まれる文字列も検索できること。対応DLLがインストールされていれば、LZH/ZIP/CABなどのアーカイブファイル中に含まれる文字列の検索も可能だ。

検索語は、大文字/小文字の区別をする/しないを指定できるほか、AND/OR/NOTの各演算子による複数文字列指定も行える。演算子としては、このほかにも「NEAR」が用意されており、指定した2語を論理行の距離で見て、近い場合に一致とみなすNEAR検索を行うことができる。初期設定では同一行にある2語を一致とみなすようになっているが、隣接する行や5行以内などの指定で検索が行えるのも特徴のひとつだ。JRE32.DLLを用いた正規表現による検索も可能なため、あいまい検索も行える

さらに、同義語検索も可能で、「首相」と「総理大臣」を同義語として定義しておけば、検索時に「首相 OR 総理大臣」と指定しなくても、「首相」だけで2語を対象に検索を行ってくれる。

検索結果は、「KWIC Centre」のメインウィンドウに一覧表示される。表示方法は「KWIC形式」「ファイル一覧形式」の2種類から選択できるが、いずれの場合も、ウィンドウ上部のリストのクリックで、ウィンドウ下部の内蔵ビューアに該当するファイル内容を表示する。ファイルリスト一覧は、検索語の出現頻度を表すスコア値やファイル名でソートできる。

テキストファイルであれば、エクスプローラの「検索」機能を使えば、ある程度探すこともできるのだが、Wordや一太郎など、特定のアプリケーションを使ったファイルの場合には、それではうまく見つけられないことが多い。

アプリケーションにファイル検索機能がついている例もあるのだが、そもそもどのアプリケーションで作成したのかわからないファイルを探したいような場合にはこうした方法も使えない。以前に自分で作ったことがわかっていながら、どこにあるかがわからないためみすみすもう一度作り直しになる、といった経験をもつ人は少なくないだろう。

「KWIC Centre」は、こうした「ファイルを探す」という操作に関してはとにかく強力だ。例えば、もはや文書ファイル名などはまったく覚えていなくても、そのファイルに含まれる特徴的な単語さえ覚えておけば、その単語をキーにしてファイルを探し出すことができるのだ。

もちろん、あまりにあやふやなキーワードを指定してしまっては、検索で発見されるファイルが数多くなってしまうのだが、ANDやORなど、検索条件をより詳細に指定すれば、目的とするファイルを探すのも次第に容易になってくる。とにかく、常に大量の文書ファイルを扱うような人にとっては、必携の便利ツールといえる。

開発中に苦労した点
各種ワープロや表計算のフォーマットの解析に多大の時間を費やしています。またVisual C++のコーディングのコツがなかなかわからず、日々苦労を続けています。

ユーザにお勧めする使い方
AND/OR/NOT/NEAR検索や、正規表現、同義語など、あらゆる検索方式を実現しています。検索結果を再利用して知的生産を行う場合に強力なパートナーとなるでしょう。またKWIC（KeyWord In Context）索引やHTMLブラウザモードなどは、ユニークな機能だと思います。

今後のバージョンアップ予定
全文検索エンジンnamazuを利用したハイブリッド検索、本格的シソーラス辞書の実装を企画中です。検索ツールの定番として愛用していただけるよう、今後とも改良を続けたいと思います。