絵の具のかすれやにじみなど、水彩画ならではの表現をリアルに実現できるペイントソフト。豊富な機能を持ちながら操作はわかりやすく、はじめてでも簡単に使うことができる。「水彩5」は、多彩な描画ツールや描画モード、複雑な画像処理が行える複数レイヤなどの機能を備えたペイントソフト。最大の特徴はソフト名の通り、水彩画風の絵を描けること。描画ツールにも水彩用の丸筆、側筆に加えて「ぼかし」や「にじみ」といった、水彩の特徴を強調するものが用意されている。絵の具の量や水の量を調節することで、かすれやにじみなどの効果を出せるほか、パレットで絵の具を混ぜ合わせて色を作ったり、キャンバスでも下地の色と筆色を混ぜ合わせることができたりと、実際に水彩画を描くときと同じ感覚で絵を描ける。
描画ツールは、ペン、木炭、マーカー、スプレー、エアブラシ、油絵筆、クレヨンなど、豊富に用意されている。これらを使い分ければ、同じ構図の絵もまったく違うタッチで描ける。編集ツールも、拡大・縮小、回転、反転、変形はもちろん、明度コントラストや色の調整、さらにキャプチャ、マスクなど、ひと通りの機能を揃えている。最大10回まで可能なUndo/Redo機能も備える。
複数レイヤや描画モードも「水彩5」の大きな特徴。レイヤは、一般的なレイヤ(描画レイヤ)のほかに、背景用の「背景レイヤ」、画像をトレースする際に使う「下書レイヤ」、文字入力を行うための「文字レイヤ」があり、「絵を描く」など計4種類ある描画モードで使い分けるようになっている。4種類の描画モードの中で特におもしろいのが「トレース」モード。セロファンまたはカーボン紙を使い、好きな画像を背景に置いてトレースすることができるので、写真を参考に絵を描きたい人には便利な機能だ。最大10枚まで作成できる「描画レイヤ」では、レイヤの入れ替えや複製、合成のほか、特定のレイヤだけを表示することも可能だ。
絵につけるサインを作成・保存できるほか、よく使う文字・絵をスタンプとして登録することもできる。描いた絵を使って、はがきや便箋、カレンダーを作る機能もある。また、1枚のキャンバスを分割し、複数の人が1枚の絵を制作するのに便利な「共同制作」といったユニークな機能も備えている。
作成した絵はレイヤ情報を持つ独自のSUD形式で保存できるほか、BMP/JPEG/TIFFに出力することも可能。読み込みは上記の形式に加え、TGA/PhotoCDなどに対応。カラープリンタ、スキャナ、デジタルカメラからの取り込みも可能だ。さらに、「水彩5」で描いた絵や、デジカメで撮影した写真などを整理するための「アルバム」が同梱されており、「水彩5」と連携して使用できる。