シンプルな操作体系のアウトラインプロセッサ。作成したアウトラインやテキストを、HTMLなどへ書き出す機能がある。また、文書から重要度が高い部分だけを抽出する機能も備える。「iLiner」は、アイデアや文を項目別に書き出して、文章や企画などにまとめるまでのプロセスを支援するアウトラインプロセッサ。頭の中にある漠然としたアイデアを整理して、思考の手助けをしてくれるソフトで、例えば「仕事や作業の手順を作成」「データ・情報からの企画書の作成」「論理的な文書の作成」など、応用できる範囲は広い。
メインの編集画面は、Finderをリスト表示にしたときのように、行頭に小さな三角マーク(トピックマーカー)が表示されるMacらしいスタイル。ユーザは、思いついた項目(トピック)を適当に書き出し、あとからトピックの順番や階層関係を決めたり、トピックの追加・削除を行うことで、アウトラインを作成していく。
Finderと同様に、トピックの階層表示が可能で、下の階層のトピック(サブトピック)の表示(展開)・非表示(縮小)は、トピックマーカーのクリックで簡単に切り替えられる。トピックには、トピックマーカーのほかにも、1.1/1.2/1.3……といった通し番号やチェックボックス、中黒、ユーザの設定した任意の記号などを付加することもできる。
上位(親)、同位(弟)、下位(子)のトピックの作成やトピックの複製は、メニューや編集画面のボタン、さらには設定した「アウトラインキー」からでも行える。作成済みトピックの階層の移動も、特定のキーとのコンビネーションによるドラッグ&ドロップで行うことができる。同階層内でのトピック名でのソートも簡単に行える。
作成したアウトラインは、独自の形式で保存できるだけでなく、テキストファイルに書き出すことも可能。さらに、QuickTimeを利用したスライドショウの作成、HTMLの出力などの機能もあり、簡単なプレゼンテーションソフトとして利用することも可能だ。インポートは、Microsoft Word(Ver.4/Ver.5)、Nisus Writer、Mac Write IIなどのファイルから行うことが可能。
「iLiner」は、アウトラインを作成するモードのほかに、通常のテキスト文書を編集するための「TextEdit」モードも備えており、アウトライン作成と同じ操作環境で、通常のテキスト編集を行うことができる。
ユニークな機能として、アウトラインやTextEditの文書に書かれた語句を解析し、頻出する語句を含む段落を抜き出して要約を作成する「自動要約」機能がある。アウトラインまたはテキスト形式のどちらかを選択し、抽出する段落数(抽出レベル)を設定して要約を作成する。
アウトライン、TextEditいずれのモードでも、フォント/サイズ/カラー/行揃えなどのスタイル設定が行える。