コンパクトで軽快な高機能テキストエディタ。プログラマ向けの機能を数多く備え、特にC/C++プログラミング用の機能に優れている。テキストエディタ本体のほかに、テキストをスクラップブックのように管理できる「MuScraps」というソフトが付属する。「MuEdit」は、豊富な機能をコンパクトなサイズにまとめたSDI形式のテキストエディタ。主にプログラマ向けに開発されたエディタで、「MuScript」(LeptoC)という、C言語のサブセットをスクリプトとして実行することもできる。「MuScript」は、C言語に準拠しながら、基本データ型と記憶クラスを限定し、コンパクト化を図ったもの。グラフィックの描画やコンソール入出力も可能で、C言語の学習用としても使いやすい。
特徴のひとつであるシンタックスカラー機能は、C/C++などのソースを構文解析し、コメントや特定文字列、ユーザ設定のキーワードなどを色分けして表示するもの。URL、メールアドレスを色分け表示対象にすることも可能で、クリッカブルURL/メールアドレスもサポートする。また、拡張子によってテキストの種類を判別し、シンタックスカラーなどの設定を変更する機能がある。テキストモデルとしてTXT/Cなど、あらかじめ4種類が設定されているが、ユーザが追加して最大6種類までを設定し、使い分けることが可能だ。
検索・置換機能は、Perl互換の正規表現に対応。検索関連の機能としてはこのほかにも、括弧の対応を調べる機能、二つの文書の行単位の比較機能、指定フォルダ内にあるファイルの文字列検索機能などがあり、非常に充実している。特にプログラマ向けの機能としては、編集中ファイルに含まれるC/C++関数を一覧表示する機能があり、目的の関数にすばやくジャンプすることができるようになっている。
もちろん、プログラマ向けの機能だけでなく、英文のワードラップや日本語禁則処理など、一般的な文書作成に便利な機能も備えている。漢字コード(EUC/JIS/Shift JIS/Unicode)および改行コードの自動認識や変換機能もあり、HTMLの編集やインターネットからダウンロードしたテキストファイルのチェックなどに最適だ。矩形選択/貼り付けや編集操作の記録/再生といった機能もあり、通常のテキストエディタとしても使いやすい設計がなされている。
付属する「MuScraps」は、テキストを一時的に保存し、別のアプリケーションで再利用するのに適したソフト。MDI的な複数のページをすばやく切り替えて使用できるよう工夫されている。