簡単操作、多彩な処理パターンが特徴のバックアップ/シンクロナイズソフト。指定した二つのフォルダ間で差分コピーを行うため、高速な処理が可能だ。タイマによる自動実行も指定できる。 使い方は非常に簡単。ドラッグ&ドロップなどで「オリジナル・フォルダ」(コピー元)、「バックアップ・フォルダ」(コピー先)を指定し、必要に応じてオプションを設定して、バックアップを実行するだけでよい。オプションとして、 - 不可視ファイルのコピー
- オリジナル側が削除されていた場合、バックアップ側も削除
- フォルダのシンクロナイズ(更新日付を比較し、相互に新しいファイルをコピー)
- エイリアス・ファイルの実体をコピー
- (バックアップ処理からの)除外ファイル/フォルダの設定
- フォルダの表示形式のコピー(フォルダウィンドウのサイズやアイコンの位置なども保持したままコピー)
- タイマを使う
などが用意されており、チェックボックスのチェックだけでON/OFFを設定できる。タイマ設定は、指定時刻または一定間隔のいずれかから選択できる。「エイリアス・ファイルの実体をコピー」は、コピーしたいアイテムのエイリアスをオリジナル・フォルダに入れておくと、その実体をバックアップ・フォルダにコピーしてくれるという機能。例えば、メーラの受信ボックス、処理中の図形やテキスト文書など、コピーしたいファイルが複数のフォルダに分かれている場合でも、この機能を使えば一度の設定ですむ。設定内容はファイルに保存できるため、処理内容別にファイルを作成しておけば、ダブルクリックだけで指定のパターンによってバックアップを実行できる。Preferenceでは、各オプションのデフォルト設定を指定できる。
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reviewer's EYE
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バックアップソフトは数あれど、機能がこれだけそろっていて、ここまで設定がシンプルなものはめずらしい。また、設定できるオプションも非常に豊富でありがたい。なかでも便利なのは、エイリアスを実体として処理する機能。バックアップでなにが面倒かというと最初の設定だ。複数のフォルダ間にまたがるファイルを処理対象とする場合には、そのつど同じ設定を繰り返すところでうんざりしてしまう。しかし、TS-Backupperなら、オリジナル・フォルダに処理したいファイルのエイリアスを放りこんでおくだけで、一度の設定ですんでしまう。 設定のわかりやすさもこのソフトのいいところ。やたらと長い説明がついていても、試してみるまではよくわからない機能よりも、パッと見てわかる簡潔なメニューの方がありがたい。日常的に使いたいソフトだからこそ、このわかりやすさがうれしいのだ。日ごろ気にはなりながらも、そのままになっている大切なデータ。手軽に、それでいて確実にバックアップしたいなら、処理も高速なこのソフトを試してみてはいかがだろう。
(フェムス・安藤 しょうこ)
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ソフト作者からひとこと
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作ってしまったわけ バックアップメディアとしてDVD-RAMドライブを買ったのですが、DVD-RAMというメディアは書き込み速度が遅く、毎回ディスクを全部バックアップをすると、結構な時間を使ってしまうので、更新されたファイルだけを差分コピーするバックアップソフトを自分で作ってしまったというわけです。変わった使い方 変わった使い方としては、普段はファイルをエイリアスで管理していて、ファイルを人に渡す場合に、エイリアスファイルの実体をコピーする設定にして、ファイルを実体化する、といった使い方もあります。 意外に気づかない機能
設定ウィンドウ内の、バックアップ元やバックアップ先の部分にFinderからフォルダをドラッグ&ドロップすると、フォルダ指定のダイアログを使わなくても簡単にフォルダが指定できます。バックアップ元、バックアップ先が指定されている設定ウィンドウの場合、左端のフォルダ(もしくはディスク)のアイコンをクリックすると、そのフォルダがFinderで表示され、選択状態になります。これで、設定されたフォルダを一発で表示できます。さらに、Preferenceでフォルダの表示形式をポップアップリストにしてから、設定ウィンドウでポップアップリストを選択すると、選択された階層のフォルダがFinderで表示され、選択状態になったりします。これらの機能は「なくてもよい」機能ですが、作者の「使い勝手に対する小さなこだわり」みたいなモノです。 で、今後は? さて、どうなるんでしょう? 今年は Mac OS Xが登場するとか、既存のMac OSがどこまで存続するのか等を眺めながら、いまは「後のバージョンアップをどうするか」を検討中だったりします。
(Toshi. Suzuki)
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