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ベクターソフトニュース - 2000.09.20
openCanvas openCanvas Ver.1.1 β22
操作フィーリングのよさが光る高機能ペイントソフト
Windows 2000/98/95/NT フリーソフト
「openCanvas」の動作画面
■メイン画面。描画ウィンドウを除き、ツールパレットはすべてフロート

柔軟な筆先定義、描画過程のトレース機能、ネットワーク経由でのホワイトボード共有機能、レイヤ機能などの多彩な機能を備えたペイントソフト。機能の豊富さもさることながら、楽しみながら使える操作フィーリングのよさも大きな特徴だ。

openCanvasは、マウスやタブレットを使い、鉛筆やペンなどの筆先で描画を行うペイントソフト。筆先には、不透明な鉛筆/ペンタッチのもの、下地の色が透けて見える水彩筆タイプのもの、ぼかし用のものが用意され、いずれも筆先の太さや不透明領域の広さなどを自由に設定できる。筆先の定義を複数登録し、切り替えて使用することも可能で、こまめにペン先を変更するような作業にも対応する。

筆圧感知機能を持つタブレットと組み合わせた場合は、描かれる線の太さ/透明度を筆圧によって変化させることが可能で、かなり“実感的な”描画も行える。レイヤ機能(乗算/加算/減算レイヤ)にも対応しており、描画領域をいくつかのレイヤに分けた重ね描きなどもできる。

openCanvasの大きな特徴のひとつが、ユーザが行った描画操作を逐一記録する「描画イベントの記録」機能。記録は、絵の描きはじめ(新規作成時点)から現在の状態に至るまで常に行われており、描画過程をすべて再現できる。openCanvas形式の画像ファイル中には、できあがった画像のほか、この描画イベント記録も保存されるようになっている。また、イベントファイルだけを出力することも可能で、このファイルを他の環境で再生すれば、新規作成時点からの描画経過を再現できる。例えば、絵の上手な人の描画経過を見て勉強することなども可能になるわけだ。

さらに、ひとつの画像に対して、ネットワーク経由で複数のマシンから描画操作を行える「ホワイトボードの共有」機能を備える。複数のマシンでチャットなどを行いつつ、ひとつの絵を描いてゆくことが可能だ。これは、1台のマシン上のopenCanvasが「サーバ」となり、他のマシンのopenCanvasが「クライアント」となることで実現する。このほかにも、作者のホームページ 上にopenCanvasで描かれた画像だけを集めたページが用意されており、openCanvas内部から直接Webブラウザを起動して、画像や描画イベントデータのアップロード/ダウンロードが行えるなど、充実したネットワーク接続機能がある。

すべての描画操作が記録されていることからもわかるように、Undoは無限に行える。ソフトの性質上、他のソフトなどから画像をカット&ペーストで持ってくるような場合には描画イベントの記録はできなくなるが、それでも十分に有用な機能といえる。

描画時のマウスに対するレスポンスが高く、操作フィーリングは非常に良好。この点がopenCanvasの最大の特徴といってもよいほどだ。そのほかにも、よく使う画像サイズ5種類を登録し、新規作成時に使い分けることが可能。画像は、openCanvas形式/イベントファイル形式の読み込み・保存が可能なほか、クリップボードへのコピー、BMP/JPEGでの保存も行える。

reviewer's EYE ホワイトボードの共有機能やレイヤ機能など、単に「機能」の面からだけでこのopenCanvasを見てしまうと、ソフトの魅力を見誤ってしまうかもしれない。確かに高機能ではあるのだが、こうした機能を持つソフトはほかにも存在する。openCanvasには、そうした機能の有無ではない、別の魅力があるのだ。

そのひとつとして筆者が挙げたいのが、操作フィーリングのよさである。一般に高機能なペイントソフトは、マウスに対する追従性が悪く、ちょっとマウスを高速に動かしたりすると、曲線を描いたはずがカクカクの折れ線になってしまうことが少なくない。だがopenCanvasの場合、太い筆先を使っていてもそのような不快な現象はほとんど出ない。このフィーリングのよさだけでもこのソフトを選ぶ価値はあるだろう。

もちろん、描画イベントの記録・再生機能は注目すべき機能だ。ネットワーク経由のホワイトボード共有も悪くはない。これらも注目に値する機能ではあるし、実際試してみると非常におもしろい。とはいえ、こうした機能はopenCanvasの専売特許というわけではない。実際、過去に同様の機能を備えたソフトは存在している。

だが、そうした機能の目新しさより、ペイントソフトとしての基本的な操作フィーリングのよさ、操作に対する追従性の高さといった、普段は見過ごされがちではあるが、とても大切な部分がしっかり押えられている。筆者は、openCanvasのそうした部分により強い魅力を感じた。
(天野 司)


スクリーンショット》 ツールパレット方式でさまざまな筆先のタッチを選択できる
スクリーンショット》 openCanvasで描かれた画像を集めたWebページ。openCanvasから直接データをアップロードできる
スクリーンショット》 ホワイトボードの共有機能。サーバ/クライアント方式で、描画ボードを複数のマシンで共有できる


【作 者】 システム・プロダクト(株)
【作者のホームページ】 http://www.portalgraphics.net/
【補 足】 9月19日現在の最新版はVer.1.1 β27。作者のホームページ からダウンロードできる。イベントデータ再生用のビューア「[oC] Viewer」も作者のホームページからダウンロード可能
ソフト作者からひとこと
■ソフトを開発しようと思った動機、背景

グラフィックツールは世の中に多々あるものの、「タブレットやマウスで直接描く楽しさ」を追求したソフトというのがないということで、1年ほど前から開発を開始しました。そのため、通常のツールでは当然存在する編集的な機能を省き、「描き心地」を追求する形で開発を続け、現在に至ります。

■開発中に苦労した点

細線描画処理には苦労しました。ネットワーク機能の実装にも苦労し、ようやく堅い出来になりました。

■告知など

当ツールを利用したコミュニティサイト[portalpgrahics.net](http://www.portalgraphics.net)には、イベントデータを投稿・表示できるシステムを公開しています。 よい画像が描けましたら、ぜひともご投稿ください。:)
(システム・プロダクト(株))
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上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

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