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ベクターソフトニュース - 2000.07.08
Wakatono Wakatono Ver.1.23
縦書きHTML変換機能を備えた縦書き対応テキストエディタ
Windows 98 フリーソフト
「Wakatono」の動作画面
■左右で機能のことなる二分割の編集画面を持つ

Webページで詩歌や短編小説、日記などの日本語文章を美しく縦書き表示できる「縦書きHTML変換機能」が特徴のテキストエディタ。そのほかにも、ひらがな→萬葉仮名変換機能、特定文字列の使用回数表作成機能など、ユニークな機能を数多く備える。

Wakatono(和歌と野)は、一風変わった漢字のツールバーアイコンで、その外観からユーザに強いインパクトを与えるテキストエディタ。一般的な横書き表示のエディタとしても使えるが、何といっても大きな特徴は、縦書き表示をはじめ、日本語を扱うのに特化した機能を備える点だ。機能や使用目的が異なる左右二分割の編集画面を使用することが可能で、通常画面←→二分割画面の切り替えはボタンクリックだけで行える。右側は通常のテキストエディタとして、また左側は文字列の加工などに用いる画面で、一般的なテキストエディタの画面分割とはニュアンスがやや異なる。

右側の編集画面(右窓)が、HTMLのベースとなる文書を編集したり、左側の画面で作業が終わった文字列の保持などに使用するのに対して、左側の編集画面(左窓)は、文字種の変換など、文字列にさまざまな加工を施す作業の場として使用する。左右の画面間での文字列コピーをドラッグ&ドロップで手軽に行うことができるほか、「右窓から左窓Copy」などの機能もある。左窓には、左窓だけで使用できる特殊機能が用意されており、平仮名→萬葉仮名、カタカナ←→平仮名などの文字変換機能がある。萬葉仮名変換は、ひらがなを764文字の萬葉仮名の対応するものに置き換えるというユニークな機能。同等の文字が複数ある場合、ランダムに選択されて置き換えられる。

縦書きHTML変換では、文字色を黒一色などの単色指定はもちろん、一定の行数ごとに色を変えて作成することが可能。また、括弧や句読点などを縦書きでもきちんと表現できるように、これらの文字のGIF形式データが用意されている。長文のテキストを一定の行ごとに区切り、読みやすく1ページにまとめることもできるなど、細かな設定が行えるようになっている。テキストからのHTML変換は、左窓・右窓いずれの文書に対しても行うことが可能だが、右窓は主に長めの文書の変換に適し、左窓での変換は短めの文章の変換に適するといった機能的な違いがある。既存のHTMLに左窓で加工した新たなデータを自動的に追加する機能もある。変わったところでは、指定した文字列の色を変え、その使用回数を表形式で記録する機能があり、文学研究などに役立ちそうだ。

そのほかにも、気に入った句など、125文字までの文字列をツールバーのテキストボックスの中に電光掲示板のようにスクロール表示させる機能や、二つまでのアプリケーションを登録できる簡易ランチャ機能がある。

reviewer's EYE 小説や詩などをHTMLで美しく縦書き表示したい人にはお勧めのソフトだ。複数のページにわたるような長めの文書の変換もでき、括弧などの特殊文字の縦書き表示にも対応しており、作成されたHTMLの表現力はすばらしい。青空文庫 の形式を意識して作られているのもうれしいところだ。ただし、縦書き表示を実現するためにHTMLファイルのサイズはかなり大きくなるので、その点は注意が必要だ。

平仮名を萬葉仮名に変換する機能もおもしろい。機能的には非常に優れたユニークなソフトといってよいだろう。ただ、機能や操作体系にまとまりがなく、取っつきにくく感じられたのは少し残念だった。ボタンや操作をまとめ直し、ヘルプを充実させれば、より“おもしろい”ソフトになるのは間違いない。この点は今後のバージョンアップに期待したい。
(秋山 俊)


スクリーンショット》 右窓の文章を左窓にコピーして萬葉仮名に変換してみた
スクリーンショット》 縦書き変換HTMLの例。1行ごとに色を変えてみた
スクリーンショット》 もちろん通常のテキストエディタとしても使える
スクリーンショット》 文中で使用されている文字の回数を調べて分析することもできる


【作 者】 SIGEYOSI さん
【作者のホームページ】 http://hp.vector.co.jp/authors/VA020725/
ソフト作者からひとこと
■ソフトを開発しようと思った動機、背景

文学部出身で文芸を愛好・実作している者が、自らほしい機能などを直接手作りしてしまおうという動機で、昨年の4月からテキストエディタの制作を始めました。「ユーザ」イコール「製作者」という構図で、媒介はありません。縦書きにこだわっていましたので、Delphiという開発言語を選びました。基礎がほとんどありませんので、いろいろな方々に助けられてようやくここまで辿りつくことができました。本人の個人的意向としては、スランプを脱出しやすいように遊びをいかに加えるか、万葉仮名変換機能も学術的というより気分転換用に付け加えました。特定文字列の色付けも実用並びに楽しさを視野に入れてあります。縦書きをそのままHTMLへ出力変換すべく、その機能も加えました。詩歌や短文に向いています。

■開発中に苦労した点

特定文字列の色付けとカウントは、グリッドに書き出す以外は協力していただいたプロの方々のおかげです。万葉仮名の実例も個人で研究しているWebサイトの協力を得ました。テキストの縦書きHTML変換の、句読点の正確な位置への挿入アイデアは2年前から持っていたのですが、今回プログラム化できそうでしたので、多少苦労しましたが実装することができました。

DelphiのRichEditコントロールは、WindowsのRiched.DLLを使用しているのですが、なかなかその取り扱いが難しく、十分うまく使いこなせていません。高速化できないので大量テキストエディタとしてのパフォーマンスはかなり落ちます。50KBくらいまでが快適な使用サイズです。

■ユーザにお勧めする使い方

詩歌でも文章でも見栄えよく縦書きHTMLに変換しますので、Webやそのほかの遊びとしてもご使用ください。どんどん変換して気に入らなかったら上書きしてください。既存の縦書きHTMLに新たな縦書き1ページを挿入することができますので、Webの毎日や毎月の更新にも向いています。2行や1行ごとに色を指定できますので、短歌や俳句には特に威力を発揮します。縦書きの美しさは日本語文をリフレッシュしてくれます。

■今後のバージョンアップ予定

早急にはありませんが、使用していて必要な機能を感じましたらそのつど考えてみます。ユーザのご要望も参考にしたいと思っております。長いテキスト文のTHML変換時間が遅いので、将来何とかしたいと思っています。変換後のサイズもかなり大きくなってしまいますので、できれば減らしたいと……。

■最後に

もうしばらくすれば開発ソフトがさらに便利になり、手軽にご自分の手作りのソフトが作れるようになると思います。今でも白紙状態から1年間あればかなりのソフトが作れるはずです。簡単にとは申しませんが、私も少しの間お世話になったフリーの開発言語もあります。Vectorさんに感謝!
(SIGEYOSI)
go! download
上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

フリーソフト
Wakatono 133 「和歌と野」縦書きHTML変換機能付き縦書きTextEditor (610K)



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