その他のコンテンツ
ちょい読み!
コミック
SELECTION


ベクターソフトニュース - 2000.05.24
DigiMeta DigiMeta Ver.1.00
ユニークな技法でモデリングを行う3Dモデリングソフト
Windows 2000/98/95/NT サンプル版
「DigiMeta」の動作画面
■モデリング画面。球形のメタボールを多数組み合わせてモデリングする

複雑で有機的な3次元形状を、簡単な操作で作成できる3Dモデリングツール。「メタボール」と呼ばれるモデリング技法を用いている点が最大の特徴だ。

DigiMeta(デジメタ)というソフト名のもとにもなっているメタボール(metaballs)は、一言でいえば“粘性を持った液体状の球体のようなもの”と考えられる。メタボールは、単体で存在するときには普通の球体だが、他のメタボールと接近するとそれらの間で互いに引力のような力が働き、変形する性質を持っている。さらに距離が近づくと、二つのメタボールは接続される。DigiMetaは、メタボールのこうした性質を利用して3次元形状を作り上げるためのソフトだ。メタボールではなめらかな3次元形状を作りやすいため、人体や動物などのなめらかで複雑な面形状を持つモデルを表現しやすいというメリットがある。

モデリング画面は4分割されており、どの画面でもメタボールの追加や移動が行える。いずれの画面も、視点の位置、すなわち見る方向を自由に変更できるようになっており、編集の自由度は高い。通常は、4分割された画面を「3面図+パースビュー」という形で利用すると操作しやすい。

個々のメタボールには、他のメタボールの影響をどれだけ強く受けるかという「融合度」を定義できる。融合度は編集画面上(非メッシュ表示時)でボールが色分け表示されるため、簡単に見分けることができる。また、他のメタボールと吸着するのではなく、反発する要素を持ったマイナス特性のメタボールを配置することも可能だ。どの編集画面でも、メタボールをそのまま球として表示する方法(非メッシュ表示)と、メタボールの融合度を実際に計算したレンダリング済み表示(メッシュ表示)とを自由に選択できる。レンダリング済みの表示を選択した状態でも、メタボールの位置などは編集可能なので、形状がどのように変化するかをリアルタイムに確認しながら編集することが可能だ。メタボールを配置し、マウスで位置や大きさを調整しながら、他のメタボールと融合させてモデルリングしてゆく、というのが基本的な操作方法で、直観的に操作できる。回転やパン、ライト回転なども簡単に操作できるようになっている。

3次元画面表示にはOpenGLを利用するため、3Dの表示品質はかなり高く、美しい。背景画像(BMP)を指定することもできるので、DigiMetaだけでもある程度見栄えのするグラフィックを作成することが可能だ。モデルの表示はスムースシェーディングのほか、フラットシェーディング、ワイヤフレーム、頂点のみのモードも選択できる。また、メッシュ密度などのメッシュ化の設定や4段階ある融合度のプリセット値の設定など、細かな設定を行うことが可能だ。

作成したファイルはDigiMetaのプロジェクトファイルとして保存できるほか、DXFやPOV-Ray、VRMLなど、他の3Dシステムへエクスポートできる。

reviewer's EYE DigiMetaは、やはり非常にユニークなモデリング方法を持つ「Digital Clay」と同じ作者の手によるソフトだ。いずれのソフトも、3次元モデリングという、初心者にとって難しい操作を簡単に行えるようにしているという点で、共通する。実際、操作は非常に簡単で、短時間の操作で誰でも「不思議な形状」を作成できる感覚を味わうことができるだろう。

唯一の難点を挙げるなら、快適な操作を行うのには、高いマシンパワーが必要とされる点だ。これは決してソフトの作りが悪いわけではなく、メタボールというモデリング手法が主に高級な3次元ソフトで使われる高度な手法であるため、仕方のないところだろう。

とはいえ、Digital Clay同様、使っていて非常に「おもしろい」ソフトであることは請け合いだ。ぜひとも実際に使って、その楽しさを体験してほしい。
(天野 司)


スクリーンショット》 メタボールのイメージ。二つの球を接近させると……
スクリーンショット》 二つのメタボールはこのような形で融合される
スクリーンショット》 操作はマウスのみで行える。融合度の変更なども簡単
スクリーンショット》 モデルの背景にBMP画像を使うことができる


【作 者】 Studio PON さん
【作者のホームページ】 http://www.studio-pon.com/
【補 足】 このサンプル版はインストール後、15日間試用することができる。オンライン販売価格はUS$ 12。くわしくは、作者のホームページ を参照してください
ソフト作者からひとこと
■ソフトを開発しようと思った動機、背景

昨年後半に、画面上で粘土細工する感覚で3D CGが作れる Digital Clay というソフトを公開したのですが、ユニークで簡単操作のソフトということで好評です。それにヒントを得て、今回は粘り気がある水飴を捏ね合わせる感覚の3D CGソフトのアイデアが浮かびました。

これには「メタボール」が使えそうです。メタボールはCG分野で古くから使われている技術のひとつで、グニャグニャした有機的な形を作るのに適しているといわれています。ということで、メタボールを使った簡単操作のユニークな3D CGソフトを開発することにしました。

■開発中に苦労した点

データの複雑さにもよりますが、マウスの操作に追従してメタボールの融合度合いをリアルタイムに画面に表示するようにしたかったので、融合するメタボール形状の計算処理の高速化に苦労しました。とはいっても、形が複雑になればデータも増えて処理は遅くなるのは避けられません。それを緩和するために形状の表示精度(メッシュ密度)を自由に調整できるオプションを用意しました。

■ユーザにお勧めする使い方

メタボールの性質上、角張ったり尖ったりしている形を作るのは得意ではありません。なめらかに変化する形を作るのが得意です。想像力を働かせて面白いオブジェを作ってみたり、造形のセンスを生かして、人体や動物などをなめらかに作り込んでみるのもおもしろいと思います。

DigiMetaで作成した形をDXFファイルに書き出すことにより、他の3D CGソフトに渡すことができます。例えば弊社のDigital Clayを併用すれば、メタボールで作った形を変形させたり、3次元ペイントで色を塗ることも可能です。メタボール専用モデラとしてDigiMetaを活用してみてください。

また、操作が簡単で遊び感覚のソフトですので、グラフィックスや造形などの教育用にも適しています。

■今後のバージョンアップ予定

球以外のメタボールのサポート、メタボールのグループ化機能など、造形の自由度を高めるとともに、さまざまなユニークな機能を追加していく予定です。
(Studio PON)
go! download
上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

現在公開ファイルがありません


会社情報 | インフォメーション | はじめて利用される方へ | プライバシーポリシー | 免責事項
個人情報保護方針 | 利用者情報の外部送信について
(c) Vector HOLDINGS Inc.All Rights Reserved.