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■複数文書を編集領域下のタブや、左上のドキュメントセレクタで切り替えられる。左下がクリップライブラリ
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英国・Helios Software Solutions社製多機能テキストエディタの日本語版。通常のテキスト編集領域のほかに、「ドキュメントセレクタ」などの複数文書の同時編集に便利な機能を持つ。この二つの領域に「クリップライブラリ」を加えた3ペインスタイルのウィンドウレイアウトが特徴的だ。
MDI形式のテキストエディタで、TextPad自体のウィンドウ内に複数の文書ウィンドウを持つタイプだが、オプション設定によりTexPadを複数起動することも可能。複数の文書を開いているときは、ドキュメントセレクタ上にファイル名一覧を表示し、クリックすれば文書を切り替えられるほか、テキスト編集領域の上(または下)に文書名を示すタブを表示させ、そこで切り替えることも可能だ。
クリップライブラリには「ANSI Characters」「Control Characters」「DOS Characters」「HTML Characters」「HTML Tags」の5種類のグループがあり、特殊な文字や記号もリストからダブルクリックするだけで簡単に入力を行える。ライブラリの内容はテキストファイルで書かれており、ユーザ側で簡単にカスタマイズが行える。また、HTML編集中にはツールバーのプレビューボタンが利用可能になり、クリックすると標準のWebブラウザを起動して編集中のページをプレビューできる。
複数の文書を扱うための機能として、そのほかに「ワークスペース」と「ファイルの検索」がある。前者は同時に開いている複数のファイルの組み合わせを保存しておくもので、以後はワークスペースファイルを開けば登録された文書ファイルを一度に読み込める。後者は指定したフォルダの中にある文書すべてを対象にして検索を行うもの。検索の条件自体は通常の検索コマンドとほぼ同じで、「文字列または16進での検索」「完全に一致するものだけを検索」「大文字・小文字の区別」「正規表現の使用」を選択できる。もちろん、指定したフォルダの下位にあるフォルダ内も検索対象にできる。このほかに一般的な検索コマンドもあり、こちらは検索方向の指定や、文書の最後まで探し終わったら先頭からまた検索を行う「ラップ検索」、一致した文字列があるところまでをまとめて選択する「選択範囲追加」といったオプションが使える。
文字編集機能も豊富で、テキストのブロック編集やクリップボードへどんどんデータを追加しながら切り取りやコピーを行えるコマンド、大文字・小文字の一括変換機能などの文字編集機能、行のマークやそれを使ったジャンプ、プログラムソースの記述に便利な括弧の対応を検索する機能などまで揃っている。キー操作を記録できるマクロ機能もあり、文字の入力やほとんどのメニューコマンド操作を自動化できる。
文書ウィンドウは通常はひとつだけ見えていて、ドキュメントセレクタやタブで切り替える形式をとるが、オーバーラップやタイリングでの表示も選択できる。ひとつの文書ウィンドウをさらに細かく分割して別の場所を表示したり、別々の文書を連結してスクロールさせたりといったことも可能だ。
そのほかにもファイルの比較やスペルチェック、行の並べ替え、エクスプローラの起動、ファイルのコピーや削除などを行える「ファイル操作」コマンドといった補助的な機能も備える。環境設定では、エクスプローラのコンテクストメニューにTextPadを登録したり、キーストローク操作をWordStarその他のアプリケーション互換に変更するといったものから、自動バックアップ設定、HTMLやC/C++といった文書の正確に応じて書式その他を自動的に使い分けられる「ドキュメントクラス」設定など、実に細かな設定が用意されている。
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