「YS FLIGHT SIMULATION SYSTEM 2000」(以下、YS FLIGHT)を公開して1年半になります。もともと「YS FLIGHT」は、大学院の博士候補試験の試験勉強の現実逃避で作りはじめたソフトです。初バージョンは、博士候補試験合格直後にリリースしました。博士候補試験科目のひとつである「制御理論」で得た知識は、ばっちり「YS FLIGHT」の自動操縦システム(敵機、編隊飛行の僚機)に組み込まれています。編隊飛行中に僚機がゆらぐのは、コンピュータが制御理論をもとに自動操縦しているからです。飛行モデルを無視して僚機の位置を幾何的に計算すればプログラミングは簡単になりますが、このゆらぎ感を出すことはできません。「YS FLIGHT」以前の自作フライトシミュレータでは、このゆらゆら感を出すことができませんでした。「YS FLIGHT」でついに達成した機能のひとつが、この「ゆらぐ編隊飛行」です。
そのほかにもネット対戦など過去の自作フライトシミュレータでできなくて、「YS FLIGHT」で初めて実現した機能はたくさんありますが、紙面の都合により省略いたします。今後、マップや機体の追加に加えて、航空祭の編隊アクロバット飛行を離陸から着陸まで飛ぶとか、着陸シミュレータとか、はっきりとした目的のあるシナリオなどを加えてみたいと思っています。
(山川総司)