ヤな感じ その1

 何だかんだと聞かれたら、答えてあげるのが世の情け・・・っ、違うわ!アタシはフェイ・ヴァレンタイン。悪名高き札つきワルの女賞金稼ぎ。何でこんなことになったか、そもそもあの賞金首のせいなのよ!

「アミーゴ!太陽系30万の賞金稼ぎのみんな、お待ちかね!『BIG SHOT』の時間だ!」
「今日もとびっきりな情報をお届けするわよ!」
 いつもの時間帯に『BIG SHOT』が流れている。最近はとびっきりな額のついた賞金首に巡り会えず、暇を持て余した。ところが、その日の賞金首は違った。「今日のトップバッターは、国籍不明、前科不明の3人だ」
「うっそ〜、2人じゃなかったの〜?」
「それもそのはず、男女2人と猫1匹。3人あわせて賞金は1200万ウーロン!」
「1人でも捕まったり、殺しちゃったら、賞金はパァよ」
「ISSPからの情報によると、賞金首の特徴は、赤と白の不思議なボールを持っていて、猫の方は何と人間の言葉をしゃべるそうだ」
「うっそ〜、信じらんな〜い!!」
「おっと、時間が来てしまった。それじゃ、今日の放送はここまで!」
「みんな、がんばってね〜」
 1200万ウーロン・・・。結構おいしいじゃないの!いつものようにスパイクとジェットに話を持ち込んでみたが、
「俺は降りるぜ」
 スパイクが立ち上がって、
「俺の嫌いなものを知ってるのか?ガキとケダモノと、はねっかえりの女だ」
 とアタシにマジマジと近付きながら怒鳴りちらした。「それがどうしたのよ?」
「とにかく俺は降りる。それだけだ」
「あっ、そう?わかったわよ。誰が頼むか、このもじゃもじゃ頭!」
「俺も今回は降りる」
 ジェットも立ち上がる。
「臭い物ほど、高くつくというやつだ。それにイマイチ腑に落ちねえとこもある。第一、国籍不明、前科不明の訳のわからん奴にかかわってたんじゃ・・・」
「御託を並べてどうすんのよ!もういいわよ。とにかく、アタシ一人でも捕まえてやるから」
 全く、まわりくどいったらありゃしない。早いとこ意地でも賞金首を取っ捕まえて、1200万ウーロンをGETしてやる!

 勢い余って出掛けたものの、この後、とんでもないことに巻き込まれようとは、その時のアタシは知る由もなかった。

  To Be Continued


作/平安調美人

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