ゲーマー・オールディーズ

 ある日、ビバップ号は宇宙のど真ん中に止まっていた。
「おい、ジェット・・ビバップ号の調子はどうだ?」
「最悪だ、エンストしやがった・・・」
「ふーん・・金星まで・・・行けれそうもないな」
「当たり前だ、そんなに行きたいなら金星のビーナスに祈ってろ」
「俺が神を信じると思うか?」
「信じないっていうのか?俺が言ってるのはそう言う事じゃない、「困った時の神頼み」だ」
「神頼みねぇ・・・んで、何処がいかれちまってんだ?」
「こないだ付けた「カバーシート」が溶けちまってる」
「どうして、そんなの付けてるの?」
「去年からエンジンに負担が掛かり過ぎて直ぐ熱くなるからな」
「ボロだもんなぁ」
「お前なぁ、船から追い出すぞ」
「ジョークだって・・」
「んで、熱くなるだろ・・そっから如何なる?」
「エンスト」
「だろ?だから付けてるんだ」
「そんなら、お前の右腕でも使ったらどうだ?」
「滅茶苦茶言うな!」
「怒るとハゲるぜ・・」
その後、ビバップ号の中で機関銃の音が鳴り響いた。
「ったく!あんな所でぶっ放すんじゃねぇよ!あのハゲ親父・・・「カバーシート」買って来るまで戻ってくんなだとぉ・・自分だけ楽しやがって!」
スパイクはビバップ号を追い出されていた。今はソードフィッシュAの中である。
「ステラの奴・・・元気にしてるかな・・・そう言えば、ここから、ある程度進むと小惑星「メリン」だよな・・・そうだ!久しぶりにアイツの所へ行って見よっと!」
スパイクは小惑星「メリン」へ向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小惑星「メリン」

「着いた着いた・・・さて、アイツのマンションは・・・・あっ!見っけ!・・」
スパイクは一軒のマンションに降りた。
「え〜と、部屋番号は・・・305だな」
「ピンポーン(効果音)」
「ガチャ(効果音)」
「はぁ〜い・・・あっ・・」
「よっ!」
「スパイク!」
「久しぶりぃ!マーライ!」
「よく来たねぇ、まあ、ゆっくりしてきなよ」
「ああ」
スパイクは旧友「マーライ」の部屋へ入った。
「相変わらず変わってないな・・・お前の部屋」
「まあね」
「よく残ってるよなぁ・・・セがサターンやプレイステーションまで・・・すげぇ!初代ファミコンまであるじゃん!」
「そう言えば、スパイク・・これ覚えてる?」
マーライが一体のゲーム機を出した。
「おっ!懐かしいなぁ!ドリームキャストじゃねぇかよ!」
「これでよくハッキングしたよねぇ」
「ああ、それで一人の命を救った事もあったよな」
「そうそう、遊びでやってたハッキングで人救っちゃうもんね」
「あの時は死ぬかと思ったぜ」
「え?アレって当たる様にわざと、ああしたんじゃなかったの?」
「・・・は?・・」
「まあ、いいか!」
「そうだな!」
「ねぇ、勝負しようよ!これ!」
マーライが一本のゲームソフトを出した。
「懐かしい!マーヴルスーパーヒーローズVSストリートファイターかぁ!・・・・良いぜ!」
「じゃあ、用意するからちょっと待ってて・・・」
三分後。
「よーし!始めよう!」
「全然やってないからなぁ、もしかしたら、あの時より弱くなってたりして」
「やって見なくちゃわかんないって」
ゲーム開始から30分後。
「うわぁ・・・やっぱ強いねぇ」
「ほぉ・・まだ捨てたもんじゃないなぁ」
「30ラウンドまでプレイするなんてねぇ」
「そうだよねぇ」
「ねぇ、欲行っているゲーム屋があるんだけど行く?」
「ん〜・・・いいけど、俺ある部品買わなくちゃいけないんだよ」
「部品ってなんの?」
「エンジンに付ける「カバーシート」って奴」
「ああ、「カバーシート」・・メリンには売ってないよ」
「そっか・・・今日は楽しかったよ・・じゃあな・・」
「ちょっと待って!「カバーシート」って混合素材「プラスメタル」で出来てるよね?」
「そうらしいな」
「今からゲーム屋へ行こう!「プラスメタル」を使用したゲーム機がそこにある!」
「だけど売り物だろ」
「そのゲーム屋、壊れた機体を直す事もしてるんだよ」
「って事は・・」
「「プラスメタル」素材の部品をわけてもらうと言う事だよ!」
「よっしゃ!今から行こうぜ!」
二人は部屋を出て、マーライの言ってたゲーム屋へ向かった。
「なぁ、そのゲーム屋の名前って何?」
「ピースメーカー」
「昔やってた映画の名前じゃない?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピースメーカー

「ここが、ピースメーカーか」
「さあ、入ろう!」
二人は店に入った。その中は各種のゲームソフトやゲーム機等色々と揃えており、まるで図書館の様になっていた。
雰囲気は静かで、かすかにオールディーズが聞こえる。
「いらっしゃい!」
威勢の良い声をした40代のオジさんがゲームボーイをしながらカウンターに座っていた。
「おお、マーライじゃないか!・・ん?隣りにいるのは誰だい?」
「ああ、彼は旧友のスパイク」
「スパイクかぁ・・・んで、今日は何を買いに来たんだ?」
「部品をほんの少しだけ譲ってもらおうかなぁと思って・・」
「部品?何の部品だ?セがサターンか?プレステか?」
「いや、オジさんの造った「ブレイン・バーチャルネット」のなんだけど」
「あれ?お前ってそれ持ってたか?」
「持ってないよ」
「じゃあ、どうして?」
「彼は「カバーシート」を探しているんだ・・・けど、メリンには売っていない・・・だから、同じ素材を使った部品を譲って・・」
「ん〜・・・譲るのは良いが、「カバーシート」にするには、まず大量に部品を用意して、次に熱で溶かしてシート並に広げないといかん・・・」
「熱で溶かすんでしょ?そんじゃあ、今から帰って火炎放射器を持って来るよ」
「そうか、じゃあ頼んだぞ」
マーライは一旦帰って炎放射器を取りに行った。そして、15分後。
「持って来たよ!」
「そうか!こっちも部品を用意したから裏まで来てくれ!」
三人は店の裏へ出た。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・店の裏

「店の中でやると火事になっちまうんで、ここでやろう」
「へぇ〜店裏の近くにはライブハウスがあるんだぁ・・だから、オールディーズが聞こえてるんだ」
「そう言えば、そうだよね・・スパイクって何のジャンルが好き?」
「ん〜・・・相方はジャズ好きで・・・俺は何が好きなんだろうな・・・」
「俺はポップス。まあ、オールディーズも何となく好きだけど」
「まあ、ジャンルの話はここまでにしといて、早く溶かすぞ」
オジさんは部品を山の様に積んだ。
「マーライ、火炎放射器を貸してくれ」
「はい」
オジさんは部品の山に火炎放射器を向け、ドロドロに溶かし、それをシートの様に広げた。
「スパイクだっけ・・」
「ああ」
「アンタ、職業は?」
「時代遅れの・・・・カウボーイさ」
「あっそ、銃持ってるだろ」
「あっ・・ああ」
「貸してくれよ」
「ほら・・」
「サンキュー・・・一度使って見たかったんだよね・・」
オジさんはポケットから一つの弾を取り出した。
「その弾は?」
「あるゲームを真似て作って見たんだよ」
「真似たって?」
「少し細工をしたんだよ」
「どんな?」
「まあ、見てな」
「バキュン!(効果音)」
オジさん溶けた部品に銃弾を一発撃ち込んだ。
「・・・?・・・・何も起きねぇぞ」
「よく見な」
「・・・・!・・・・」
撃ち込んでから三秒後、ジワジワと凍り始めた。
「オジさん・・それって・・」
「そう、お前が初めて作ったガンシューティング「スパイ・ツイスター」の「アイス・トリガー」を真似たんだよ」
「よくやるよな・・・」
「まあな、溶かした物すぐ冷やさない形が変わっちまうからな」
「これで終りか?」
「ああ、これで15分待てば「カバーシート」の完成だ・・・俺達オリジナルのな」
「スパイク、これでエンストも防げるね」
「そうだな」
「なあ、15分待ってるのも暇だろ?その間にゲームやんねぇか?」
「いいねぇ」
「昨日面白いシューティングを見つけたんだ」
「題名は?」
「カウボーイ・ビバップって言うんだけどよ、何かおかしいんだよ・・」
「何で」
「主人公がよ・・アンタ、スパイクそのものなんだよ」
「・・は?」
「ちょっとさぁ、やって見てくれよ」
「ああ」
三人は店の二階へ行き、ゲームをプレイした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二階

「あっ!本当だ・・・主人公俺そっくり・・・・それも、乗ってる機体まで同じ出し・・え!?何でジェットやフェイが!・・・エドも出てるし!・・・」
「ちょー不思議ぃー」
「コギャル言葉を使うな!」
「ゴツン!(効果音)」
「いってー!相変わらずコギャル嫌いは治らないね」
「当たり前だ!あんなの女じゃねぇ!宇宙人だ!何が「超ブルー」だ!テンション下がるわ!」
「はいはい」
それから盛り上がって15分後。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・店の裏

「よーし!固まったぞ!・・・なあスパイク、今すぐ持ってかえんな、相方が待ってるんだろ」
「そうだけど」
「今日は楽しかったよ!ねぇ、いつ遊べる?」
「わからねぇ・・暇が出来たら又来るよ」
「絶対だよ!」
「ああ」
スパイクはオリジナルの「カバーシート」を持って二人の元を去り、ビバップ号に戻った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ビバップ号

「・・ただいま」
「買ってきたか・・」
「ああ、買ってきた・・と言うより作ってきた・・」
「は?」
「まあ、いいじゃねぇか・・・早く付けて、とっとと金星へ行こうぜ」
「ああ・・・・所で、どうしてそんなに金星へ行きたがる?」
「ステラが元気でやってるかを見に行くためだよ・・・・」
「そう・・・」
言葉を言い終えると、ジェットはエンジンに「カバーシート」を付けた。
「さあ、行くぞ」

  SEE YOU SPACE COWBOY

作/ホーセス
参考/SEGA ソニー 任天堂 バンダイ カプコン

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