Sorry...Japanese Only.

ごめんね、、、

 帰宅途中の電車の中、男性二人が混雑の波に流され、私の目の前に来ました。 彼らは同じ会社内での上司とその部下という関係らしく、初めは自分たちの通勤時間について話していました。私は寝たふりをしながらじっと二人の会話を聞いていました。
 二人は何だかとっても仲が良さそうで、上司は部下のことを気遣い、部下は上司をとても敬っているようでした。そんな彼らに、私はとても好感が持てました。就職活動中の私は「こんな人達がいる会社で働けたらいいな、」とさえ思ってしまいました。

二人の話題はだんだん恋愛の話になってきたようです。

 「00君、彼女とかいるんだっけ?」
 「それがいないんですよねー。はは、、」
 「そうかー、でも、当たって砕けろ、だよ。」
 「それが、そう上手くはいかないもんなんですよね。女性は難しいです。」
 「うーん、、、そうだね。うちの社の女の子達なんか、、、」

こう、上司が言いかけて、二人はしばらく沈黙してしまいました。
私も思わず息をのんでしまいました。

 「、、うちの社の女の子達はキラキラ光るもの持って、、私くらいになると、本当についていけないんだよね。」
 「そうですよね、、、」

二人の話している意味がとてもよくわかって、私はなんだか悲しくなってきました。 いつもの私なら、「それでも女性は、、、」とか、「そんなこと言っている男性だって、、、」 と反論したくなるのですが、彼らのあまりにも悲しそうに、また、嫌味のない言い方に、私は、つい、「ごめんね、、、」と心の中でつぶやいてしまいました。
 私や彼らの会社の女の子達が悪いわけでもないし、また彼ら二人が悪いわけでもない。 誰が悪いと断定できないこの社会だし、私がこんなこと言ってどうということもないけれど、なんとなく、自然に、ごめんね。


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