アサヒペンタックスSPの想い出


 これはこのホームページの中でも、どこに展示していいのかわからなかったのですが……。
 さっき、ふと棚を見上げると、これが目に入りました。まだ持っていた(そりゃまあ、捨てても売ってもいないのだから)んだなあ、って思ってしまって――。

 御存知の方も結構多いと思いますが、旭光学(現在はペンタックス株式会社とかいうらしい)のアサヒペンタックスSPです。これは宇宙暦5年の4月、高校に合格してその入学祝に父に買ってもらったものですので、 前の製品ですね。
 もともと私は、天文写真を撮ろうとしていたので、中学校のころに買った望遠鏡(これは、最初に赴任した学校に置いて来てしまいました)に取り付けるために買ったのですが、実際にはもっといろいろなことに使い続けました。大学のころのSFイベントやコミケ、初めてのSF大会、就職して最初の韓国巡検、そして、新婚旅行の、ベーカー街探検……。
 写真というものが、その時その時の記録を撮り続けるものである限り、別に写真そのものを趣味にしていなくても、カメラは私のしてきたことを一緒に辿って行きます。現在のデジタル技術がない時代では、逆にカメラは古い物でも充分使うことが出来、上記の新婚旅行がこのカメラの15年目の旅でした。その後はビデオカメラやコンパクトカメラの導入と供に次第に使う機会が減り、今はデジタルカメラが中心です。でも、15年以上も使うカメラなど、もう二度と手に入れることはないでしょう。

 さっき、フィルムが入っていないのを確かめて、シャッターを切ってみました。でも、すでに満足に作動はしません。長く使わなかったので、ミラーのところが引っかかるようになっていたのです。実は修理に出せば動くようになるのは知っているのですが、5万円を越える費用が必要でしょう。ネットオークションで調べてみても、決してそんなに高い値段はついていません。せいぜい数千円です。あのニコンFは数万円で取引されているようなのですが。名機であってもそこそこの値段だったために、市場にたくさん出回っているためでしょう。
 もちろんこれで儲けようなんてことは考えていませんので、別にかまいません。ただ、大学入学の時に買ったローランドのシンセサイザーを3年も上回って辛うじて生き残っている品です。これより古い愛用品と言えば何冊かの本(シートン動物記とか)と……そうだ、小学校の時に買ってもらったチェスの駒のセットがあるはずだ。前に探しても見つからなかったんだけど、あれは絶対にどこかにあるはず。そのうち見つけ出してみよう。あれなら、ちゃんと展示する場所が用意してあるのだから……。


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